鈴鹿馬子唄

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写真撮影場所:滋賀県甲賀市土山町、三重県亀山市関町
写真撮影日 :2020/4/16、11/18
唄収録日  :2021/3/2
唄記述日  :2021/3/30
訪問記述日 :2021/3/30


*歌詞*

「坂は照る照る 鈴鹿は曇る
 あいの土山 雨が降る

 与作思えば 照る日も曇る
 関の小万の 涙雨」


*記述*
 今の滋賀県と三重県の県境にある鈴鹿峠は、江戸時代には十八曲がりの難所で西の箱根と呼ばれる程でした。この難所を越えて東海道の坂下宿と土山宿を上下した馬子がこの唄を口にしたとされています。

 歌詞にある「小万」は伝説の女性で、この唄は彼女に絡む歌詞が多いです。
 日本民謡大観の唄はまとまりが分かりにくかったので、下記参照リンクの鈴鹿馬子唄保存会の動画を参考にしました。
 この保存会の動画でもそうですが、唄い初め、或いは唄の合間に「ハイーハイ」というお囃子が入ります。ですが、江戸時代の馬子にそんな余裕はなさそうだという勝手な思いから入れておりません。


*訪問記述*

 4月16日は甲賀市コミュニティバスの田村神社のバス停に11時24分頃到着しました。天気は晴。

 バス停のある「道の駅あいの土山」は写真を撮りに行った翌日から一時閉館するという張り紙がありました。タイミング良かったなあと思いながら、まずはレストランで黒影米うどんを注文。古代米の黒米は素朴なお味でした。
 お腹を満たすと早速歩道橋を渡って田村神社へ。中は広くほとんどどなたもいらっしゃらなかったので、写真撮り放題でした。

 

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この辺りの開けた雰囲気が良いですよ

 

 田村神社を一通り散策して、道の駅に戻り、お土産を買い込むついでにおにぎりを買って食べました。食べてばかりではないかとツッコミが入りそうですが、ここを逃すと飲食は十中八九できないだろうと考えていたので、血糖値を下げないためのやむを得ない措置です。多分。(ちなみにここの道の駅では美味しい土山茶が無料で飲めるのでお勧めです) 

 そこから土山宿をぶらぶら歩き、白川神社や土山宿本陣跡を辿って甲賀市土山地域市民センターまで移動しました。
 予想できていたことですが、一番の難点はお手洗いでした。東海道伝馬館は閉館しているし、土山中央公民館は開いていましたが人の目が気になって立ち寄れないし……。密とは全く縁のない道中でしたが、宣言中はこういう悩みが発生するのだなあと思いつつ、土山地域市民センターのバス停を14時48分頃出発しました。

 
 11月18日は甲賀市コミュニティバスの近江山内のバス停に10時25分頃到着しました。天気は晴。
 
 お手洗いで困ってしまうため宣言中ではなく、鈴鹿峠近辺に山ヒルが出る可能性があるということでしたので11月から3月の間、かつ雪が降るかもしれないので真冬却下、という条件まみれの日程選択でした。
 
 また、滋賀県と三重県のどちら側から回るかも悩みました。亀山市のコミュニティバスは一日4本しかないので、本来はバスの本数が少ない坂下宿側から多い土山宿側へ向かう方が帰りが安心なのですが、関駅前のバス停に8時54分までに辿り着くのが大変だったのと、このルートだと関宿に立ち寄ることができないのと、坂下宿側から回ると登りばかりで自分の体力に自信がなかったのとで、結局標高の高いところか低いところに向かうことにしました。それだと、土地勘のない中で近江山内バス停を10時25分から、鈴鹿馬子唄会館前バス停を13時5分までに抜けなければならないという制約があり、民謡巡りで(何故か)過酷になる旅に慣れた私でも計画段階で既に行きたくない感満載でした。
 どこか宿に泊まろうかと一瞬悩みましたが、泊りだと更に荷物が増えるわけで、その荷物を持っていくのも後から取りに行くのもどうするのかという話になり諦めました。もう後は野となれ山となれの心境に至ります。

 そして迎えた当日は偶然にも季節外れの天気で温度が25度まで上がりました。上着なんていらなかったと泣く泣く抱えて歩く羽目に。
 山中一里塚跡で「道の駅あいの土山」の外の店で購入したみたらし団子を食べ、十楽寺の前を通り過ぎ、熊野神社の鳥居が見えた辺りで11時9分頃の山内巡回線のバスが見えたため、大体予想ペースで歩いていることを確認。万人講灯籠が予想より小さいことに愕然としつつ、事前にコンビニで買ってきたサンドウィッチを食べて、鈴鹿峠へ直進。

 

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鏡岩への看板は出ていたのですが、時間的に無理と判断しました

 

 坂を下っていくと、目の前に1号線がそびえる広場に出ました。どの方向に行ったらいいか分からなくてうろうろしましたが、1号線の下に向かう階段を発見。逆ルートだから看板がなくて分かりにくいのかと納得しつつ、階段を降りていきました。降りきると片山神社があって、神社前の紅葉が綺麗でした。

 

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紅葉が美しいという証拠写真

 

 そして片山神社の前の下り道を直進します。片山神社の参道を抜けるとまた国道1号が目前ですが、「坂下宿はこちら」の看板が出ている東海自然歩道に入りました。
 これが大変しんどかったです。紅葉の季節ということは落ち葉の季節でもありました。動画の写真にもありますが階段が急で、足を踏ん張っても落ち葉で滑った経験がある身としては怖かったです。誰にも行き会わないし、こけたら怪我まっしぐらの可能性大ですが、それとは別にバスの時間があり、焦る焦る。(東海自然歩道の入り口で撮った写真が12時9分でした。土地勘がないので間に合うか分からないし、ひええという心境でした)

 結局運よく無事にコンクリートの地面に辿り着きましたが、目的地は坂下宿ではなく鈴鹿馬子唄会館なので、引き続き急ぎ足で写真を撮っていきます。(余談ですが、大竹屋本陣が坂下宿では一番有名だったということで、動画を作成する時に調べたら、ゴミ取集所の裏の石碑だったので泣けました)

 坂下宿を無事通り抜けてもなかなか見えない鈴鹿馬子唄会館(と鈴鹿馬子唄の碑)でしたが、ようやく姿が見えた時は12時43分でした。会館内部を丁寧に見ている時間はないなあ、ということで、お手洗いをお借りした後にざっくり拝見。
 バス停で待っている5分ほどの間、へたりこんで持参のおにぎりを食べていました。(この日も食べてばかり……)

 亀山市コミュニティバスは私しか乗客がおらず、寂しいものの窓が開いて涼しい車内でゆっくりできました。関宿のバス停で降ろしてもらい、そこから関の小万が働いていたという会津屋と、お墓がある福蔵寺を仮目的地としながらも、それ以外も気になるものがあれば撮影していきました。
 本当はもっとゆっくり関宿に滞在する予定でしたが、疲れ方が半端なく資料館等を回る体力がなかったので1時間早めに帰ることに。関宿から関駅に向かい、柘植行14時21分発の電車に乗って帰宅しました。


*参照*

『日本民謡辞典』 1972 仲井幸二郎・丸山忍・三隅治雄 東京堂出版

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正調鈴鹿馬子唄保存会と坂下宿 - YouTube