写真撮影場所:三重県桑名市
写真撮影日 :2020/5/13
唄収録日 :2020/10/9
唄記述日 :2020/10/30
訪問記述日 :2020/10/30
*歌詞*
「桑名の殿さん ヤンレ
ヤットコーセー ヨーイヤナー
桑名の殿さん 時雨で茶々漬
ヨーイートーナー
アーレーワ アリャリャンリャン
ヨイートコ ヨーイートコナー」
やれ出る それ出る
やれ出る それ出る 矢橋の船だよ」
*記述*
桑名宿は東海道五十三次の一つで、京に向かう旅人は皆、名古屋の熱田の宮宿から海上七里を渡って入りました。桑名は長良川、揖斐川、木曽川の三河川が合流する場所でもあり、水運が盛んであったため船宿や女郎屋が大繁盛であったようです。この唄はそうした中で幕末頃に酒席で流行りました。
唄は習って知っていたのですが、日本民謡大観(下記参照リンク)の唄は前半が陽音階で、知っている陰音階のものより歌詞に合っていそうなので、そちらを主に参考にしました。が、知っている唄に上書きするのは難しくて、一部習ったもののままです。
桑名には長らく徳川の譜代大名松平家が配されていましたが、この唄に出てくる「殿」は米相場で儲けた桑名商人を指すという説が有力です。唄の題名でもある「桑名の殿さん」は「桑名の殿様」と唄う方もいらっしゃいます。「時雨」は名物の時雨蛤のことで、「矢橋の船」はおそらく「急がば回れ」の語源に関係する草津の矢橋でしょう。
一番と二番の間に「ハァ ソコダヨ」という掛け声が入る場合があります。
*訪問記述*
近鉄桑名駅に10時32分頃到着しました。天気は曇りのち晴。
唄の趣旨的に成金なところを撮ればいいのか(言い方がひどくてすみません)と、桑名七里の渡し公園から九華公園、桑名宗社までぐるっと歩きました。個人の感想ですが、全国的でもこれだけ沿岸の町が綺麗に整備されているところは珍しいのではないでしょうか。
途中で、珍しくお人に声を掛けられビックリしてしまいました。(観光客というには微妙な場所ですし、時期が時期ですので……)色々教えて頂きありがたかったです。
昔はこの中洲まで泳いで渡ることができたそうです
七里の渡し跡を角度を変えて何回もパシャパシャ撮ったので、その隣の大塚本陣跡である船津屋さんと脇本陣の駿河屋跡である山月さんがさりげなく写っていますが、あまりにさりげなさ過ぎて写真を採用できませんでした。というより、きちんと撮るのを忘れていました。すみません。
九華公園ぐらいから晴れて、温度が上がったため、適度に休憩を入れつつ移動していました。
ここに鳥小屋がある理由をどなたかに教えて頂きたい
最初は焼き蛤を食べようか考えていたのですが、暑さで疲れてしまったので結局外食はしませんでした。駅に戻り、電車で食べる用のおにぎりと安永餅と、お土産に蛤せんべいを購入し、近鉄桑名駅を13時47分頃出発しました。
*参照*
『日本民謡辞典』 1972 仲井幸二郎・丸山忍・三隅治雄 東京堂出版
Various Artistsの「日本民謡大観 近畿篇 10」をApple Musicで
滋賀県大津市エリアの企業が集まる大津地域情報サイト「大津e湖都市場(おおついいこといちば)」
*試聴(広告)*
この唄はどちらかというと女性が唄うものと認識していたので、珍しく男性が唄っているものを。