写真撮影場所:大阪府和泉市槙尾山町
写真撮影日 :2019/5/29
唄収録日 :2020/1/20
唄記述日 :2020/3/5
訪問記述日 :2020/3/5
*歌詞*
「ヤーレナーエー
今年ゃ子の年(ヨーイセー)
槇尾の開帳(ヨーイセーコーラセー)
村のナーエ 若い衆ソーレーサー
幟指す
(ソリャヨートコセー ヨーイヤナー
アレワイナー コレワイナー
ソーラヨーイトーセー)」
*記述*
西国三十三所第三番札所である粉河寺から第四番札所である施福寺への巡礼歌で、数十年に一度の本尊の御開帳の時に信者が幟を立てて唄い詣でたものとされています。(と、唄の解説ではこうですが、おそらく平時でも唄われていたのでしょう。そうでなければ御開帳の時にタイミングよく口から出ませんし)
現在では常時御開帳をしており巡礼はなくなりましたが、槇尾山周辺で唄われており、場所によっては三味線の手を付けるところもあります。(また複雑なタイトルの付け方をしましたが、地域差があることを鑑みた結果です)
唄と解説は「大阪府の民謡 昭和62・63年度府内民謡緊急調査より」のCDを参考にしました。元唄は伊勢音頭で、曲調に名残があります。歌詞の中には御詠歌を引用しているものもあります。
*訪問記述*
泉北高速鉄道の和泉中央駅から9時7分発の南海バスに乗りました。天気は曇りのち晴。
何故民謡のために一人で山登りをすることになるのか分からないですが、とにかく遭難は避けるべきとルートを考えていました。(参照リンクに近畿自然歩道のマップのリンクを貼っています)さすがに粉川寺から歩くわけにはいきませんが、施福寺から滝畑ダムへダイヤモンドトレールを使って一直線に逃げるわけにもいかないですね。方向違いますし。
最終的に、オレンジバスで槇尾山の登り口まで出て、施福寺まで登った後に近畿自然歩道を歩き、十五丁石地蔵までで勘弁してもらって(これ以上南へ出ると一日で帰れなさそうです)、そこからボテ峠へ向けて東に抜けて滝畑ダムへ下る、というルートを取りました。滝畑ダムのバス停(日野・滝畑コミュニティバス)を最終地点にしたのは、和泉市オレンジバスより確実に本数が多く、到着時間がはっきりしない下山時に、2、3時間もバスを待たなくて良いという切実な理由です。
和泉市オレンジバスはマイクロバスなのですが、この車体の一車両程の幅の道をすいすい通ってくれます。もちろん山道に慣れていらっしゃるのでしょうが、運転手さんに尊敬の念を抱かざるを得ません。
9時52分頃、槇尾山到着です。
偉大なオレンジがあそこに
施福寺には平日というのに20代ぐらいの若い方もいらっしゃっていました。パワースポット巡りの場所として浸透しているのでしょうか。ご本尊も馬頭観音も時間がなくて私は拝観しませんでしたが、皆様はぜひ。
近畿自然歩道は歩きやすい道でした。途中で道の分かりにくい箇所もありましたが、登山者もちらほらいらっしゃいますし、道は歩きやすいし、安心できます。
と思ったら、桧原分岐の辺りで自衛隊と思しき方たちとすれ違って以降、誰とも会わなくなりました。ひええ。
十五丁石地蔵から東に向かう林道は、あまり使われていないためか落ち葉がいっぱいで、道が分かりづらくて泣けました。相変わらず誰とも会わないし……。
実はこの道、2メートル近い崖があります。ロープがちゃんと張ってあり掴んで降りられるのですが、前日雨が降っていたことと落ち葉量の多いことが災いして、足を踏ん張っていたにもかかわらず、すってんころりんしました。幸いお尻を打ち付けただけで済みましたが、一瞬足は大丈夫かと冷や冷や。
ボテ峠からは楽に下りられます。さすがのダイヤモンドトレール。
偶にはこんなところも
山中は見晴らしのきくところがあまりなく、ひたすら木に囲まれていた感じだったので、下山した時は明るくてほっと一安心でした。
待ち時間がそこそこあったので、滝畑ダムの滝畑湖畔観光でさつま芋スティックを注文したら、持ち帰り用折詰めパックと一緒に山ほど出てきました。ボリュームたっぷりで、かつ揚げたてが大変美味しゅうございました。
14時19分発のバスに乗って帰路につきました。
余談ですが、日野・滝畑コミュニティバスも結構細い道を運転手さんに攻めさせます。二度目の尊敬の念を抱かざるを得ません。
*参照*
※この唄は『日本民謡事典』には掲載されておりません。