菅笠節

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写真撮影場所:兵庫県姫路市野里地区、本町
写真撮影日 :2018/12/3
唄収録日  :2019/7/22
唄記述日  :2019/8/5
訪問記述日 :2019/8/5


*歌詞*

「向こう通るは 清十郎じゃないか
 笠がよう似た 菅笠が
 (お夏愛しや こっち向け清十郎
  あちら向いても 清十郎

 お夏花なら 清十郎は紅葉
 花と紅葉が あの手を引いて」


*記述*
 
 播州姫路で実際に起きた「お夏清十郎」と呼ばれる事件を題材に、今日まで数えきれないぐらいの唄が作られ物語が作られました。この唄はそのうちの一つで、姫路地方の花柳界で新作されたものとされています。(「菅笠節」で調べると、真っ先に隆達小歌が出てくるのですが、内容はともかく唄は完全に別のものです)
 大店の主人の娘と手代の身分違いの恋で、お夏と清十郎の二人は駆け落ちをしたものの、追っ手に捕まり清十郎は処刑されます。それを知ってお夏は気が狂い、行方をくらましてしまいます。(この歌詞では町をさまよい、幻の菅笠姿の清十郎を追い求める、となっています)
 
 唄はうろ覚えでしたが日本民謡大観には掲載されていなかったので、幾つか聞いた中で一番癖のない佐々木基舟氏の唄を参考にしました。
 この唄は「天満の市」のように途中で転調をします。
 また、お囃子の「お夏愛しや~清十郎」の後に「ヤアヤアおいでな 寄ってくだん」という一言が入ることもあります。


*訪問記述*

 12時頃にJR野里駅へ到着。天気は雨のち曇り。

 実は当ブログ開始以来初めて、カメラのSDカードを忘れてしまいました……。という前回を髣髴とさせる出だしですが、遅刻よりもっと深刻な事態でして、撮影場所が山の中でしたら泣く泣く帰っていたところでした。

 野里駅から傘をさしつつ歩いて日吉神社周辺を撮り始めたところで、カメラのバックアップ容量がないことに気が付き、慌てて大きい道に出ます。さすがにドラッグストアのキリン堂にSDカードはないよね……ということで周りをきょろきょろ見渡していると、見知ったピンクのイオンの建物が。
 行って、無事にカードをゲットし、戻ってくるまで時間がかかりました。とほほ。ただ、この間に雨は完全に止みました。

 日吉神社に戻りましたら早速撮影をしていきます。

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見づらいと思うのですが、この入口の造形は渋いです

 日吉神社のある梅ヶ枝町は元々遊郭があったそうで、過去に菅笠節が唄われていただろうと勝手に想像していました。

 以降は印刷してきた「のざとあるきまっぷ」(参考リンクに姫路市のリンクを貼っています)を手に、旧野里街道沿いに野里地区の名所をぽちぽち撮っていきます。 毎年8月に慶雲寺・野里商店街周辺でお夏・清十郎まつりが行なわれているとのことで、この周辺を練り歩くのだろうと、また勝手に想像。
 なるべく車や人を写真に入れないよう気を使い、不審者感を出さないようにカメラを隠し、という街中での撮影ポイントを忠実に守りながら移動します。

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観光客に優しすぎる看板

 慶雲寺の比翼塚には、由緒の説明看板があり、近くに「お夏清十郎」と書かれた菅笠を持つ着物姿の女性の顔出しパネルがあります。いたくシュールなので、現地に赴かれた際には是非ご覧頂きたいです。

 固寧倉、光正寺、誓光寺、雲松寺、野里門跡を回り、しばし休憩。それから姫路城外濠跡碑、あてまげ(場所が分かりにくい……)、ノコギリ横丁の順に進みました。

 姫山駐車場のトイレのベンチでもう一休憩。さすがにもう時間がないから姫路城までは回れない、ということで、正面から観光客に混じり撮影。
 お腹が空いたので、高田の馬場(決闘があったところではありません。念のため)で休憩をしてからJR姫路駅まで歩き、16時26分頃電車に乗って帰宅しました。

 


*参照*

『日本民謡大事典』 1983 浅野健二 雄山閣出版

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姫路市|野里地区