真室川音頭

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唄収録日  :2016/7/20
唄記述日  :2016/7/21


*歌詞*

「私ゃ 真室川の梅の花 コーリャ
 あなたまた この町の 鶯よ
 (ハ コリャコリャ)
 花の咲くのを 待ちかねて コリャ
 蕾のうちから 通うてくる
 (ハ ドントコイドントコイ)

 夢を見た夢を見た 夢を見た
 あなたと添うとこ 夢に見た
 三々九度の盃を
 頂くところで 目が覚めた」
 


*記述*

 山形県最上郡真室川町地方の唄で、全国的に有名な酒盛唄です。
 元唄は北海道・樺太方面で明治末期から大正時代にかけて流行した「ナット節」です。北海道から渡ってきて真室川鉱業の鉱夫や軍用飛行場建設の人夫に就いた人たちが唄を広めました。また、宮城県女川漁港付近の料亭で働いている間に北海道の漁師から「ナット節」を教わり、後に出身地の真室川町へ戻り料理屋「山水」の女中となった近岡仲江(ナカエ)氏も、唄を広めた一人です。
 前者の鉱夫や人夫の唄は「真室川花電車」、後者の近岡氏の唄は「山水小唄」と名付けられていましたが、両曲が自然と混じり合いました。これに真室川町の料亭「紅屋」の女将であった佐藤ハルエ氏が三味線の節を付けて現在の形に仕上げたのです。
 歌詞は「真室川花電車」経由のものに卑猥な春歌が多かったためか、真室川町が1951(昭和26)年に公募をしています。


*参照*

『日本民謡大事典』 1983 浅野健二 雄山閣

ヴァリアス・アーティストの「日本民謡大観 九州篇(南部)・北海道篇 10」を iTunes で


*試聴(広告)*
 伴奏が津軽三味線で他のものとは感じの違う仕上がりになっています。歌声がもっと大きければ言うことはないのですが。