写真撮影場所:京都府宮津市魚屋、新浜、文殊、大垣、成相寺
写真撮影日 :2015/9/16
唄収録日 :2015/9/21
唄記述日 :2015/9/29
*歌詞*
「二度と行こまい 丹後の宮津
縞の財布が 空となる
丹後の宮津で ピンと出した
天の橋立 日本一よ
文殊菩薩に 智恵の餅
丹後ちりめん 加賀の絹
仙台平には 南部縞
陸奥の米沢 糸小倉
丹後の宮津で ピンと出した」
*記述*
写真に人が入らないようにしましたが、観光地での撮影は難しいですね。なるべく個人を特定できないよう写したつもりですが、何かあれば連絡お願いします。
日本民謡のどの本にも記載されているかもしれないぐらい有名な曲です。
京都府北部の若狭湾に面する宮津は、下津井や佐渡と同じく北前船の寄港地として賑わい、また景勝地の天橋立が近いことから観光客も多く、江戸中期(徳川五代将軍綱吉の頃)には江戸の吉原を模した新浜遊郭が船場の近くに作られていました。
酒盛りの場で芸姑により演奏されたこの唄が、観光客や船乗りたちに覚えられ、各地に伝えられていったのです。
この曲は本調子甚句の一種、なので明るい騒ぎ唄ですね。一説には、本来の唄は中囃子であったけれども、本調子甚句が入ってきたことによって本唄に取って代わったという話があります。
唄に出てくる「ピンと出した」には諸説あり、「丹後の宮津が備後出した」と幕末の藩士本荘氏が長州の家老の宍戸備後守を釈放した行ないを指す説、遊客が遊び過ぎてすっからピンという説、賭場でのピンキリという説、三味線の音のピンという説、男性の発情の説と様々です。
ちなみに「宮津節」は字余りの歌詞というのがあって、その部分を聴きたくて探したのですが現時点では見つけられていません。また機会があれば聴いてみたいと思います。
写真では天候が悪くきれいに写っていませんが、成相寺まで登ると傘松公園より眺望が良いです。私は行けませんでしたが、成相山頂展望台まで行くと更に見晴らしが良いようです。
景色の良いところ、そして公園内であさり丼を熱望される方は、是非天橋立へ。電車で向かわれる方はWILLER TRAVELの「天橋立まるごとフリーパス」が便利です。
*参照*
浅野健二 『日本民謡大事典』 1983 雄山閣出版
*試聴(広告)*
初代黒田幸子氏の太い声も外しがたかったのですが、佐伯千恵子氏の丁寧な唄いぶりに今回は一票。