下津井節

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写真撮影場所:岡山県倉敷市下津井、吹上、田之浦、大畠
写真撮影日 :2015/4/9
唄収録日  :2015/6/23
唄記述日  :2015/6/26

 

*歌詞*

「下津井港はヨー 入りよて出よてヨー
 まとも巻きよて まぎりよてヨー
 トコハーイ トノエー
 ナノエー ソーレソレ

 

 下津井港に 錨を入れりゃ
 街の行灯(あんど)の 灯(ひ)が招くよ」

 

*記述*

 関西の唄ではないというツッコミ待ちシリーズ。

 

 唄を聴いたことがあるのでコツもつかみやすいだろうと期待していたわけですが、見事に裏切られました。そりゃあ全国大会だってあるぐらいの唄ですから、難度が高くて当たり前。

 出だしは高音ですが途中から最後にかけて低音になります。そのため出だしはなるべく頑張って高めに出た方がよいのですが、低音部分では安心してしまってドスのきいた声にならないようにしなければなりません。もちろん私は高音も低音も反省点が尽きません。

 

 下津井港は江戸時代、瀬戸内海の交通や輸送の主要な港として繁盛していました。Wikipediaによりますと北前船の寄港地であり、また金毘羅参りをする参拝客が多くて賑わっていたそうです。
 港が栄えると、その周辺に色街ができるのも自然な成り行き。酒の宴に唄は付き物ということでできたのが「トコハイ節」(コトバンク日本大百科全書の解説による)です。
 ただ、こういう酒の席の自然発生的な唄には品のない歌詞も多く、昭和4年、寂れてしまった街を盛り上げるため役場がこの曲の歌詞を募集しました。しかし町民が町おこしにそれほど熱心ではなかったため、歌詞の審査委員たちにより考え出されたものが現在まで唄われているそうです。

 

 下津井漁港の蛸が有名で、寿司も干し蛸も蛸の煮付けも私は美味しくいただきました。また、春の下津井城跡は桜が見事なのですが、特に平日は近隣の方しか来られないとのことなので、じっくり見ることができます。
 花も団子(蛸)もご希望の方は、是非下津井へ。車がないと行くのが難しいですが、児島駅から下津井循環線「とこはい号」というバスが出ています。

 

*参照*

Sophia ちょっとした話 下津井節

 

*試聴(広告)*
 まあ、割と正当な選択かなと。この曲は芸の達者な方(芸者さん)が作った曲ですし、うめ吉さんは倉敷市の出身ですので。

 

 

*訪問記述*
 一日目は曇り後雨、二日目は雨。撮影は本来、二日に渡るはずでしたが、足の限界に挑んで無理矢理一日目で終わらせました。

 岡山駅から普通電車に乗って児島駅へ向かいました。姫路駅では通勤・通学客と姫路城への観光客の多さ(ちょうど3月に姫路城大天守保存修理工事が終了したところでした)で前進できず、違うホームへの乗り換えがぎりぎりになりました。この児島駅でも、「下津井循環線とこはい号」のバスへの乗り換え時間が14分程で、慌てて駅のロッカーに荷物を詰め込みバスを探しました。既に疲れ気味です。
 何とか10時30分発に間に合いまして、バスの1日乗車券を車内で購入、運転手さんとお喋りしつつも10時46分下津井港前に到着しました。ここで「すし割烹 松本」の開店時間の11時まで港の写真を撮りつつ待ちの姿勢。下津井は蛸が有名と聞いていたので、何としても食べねばと思っていました。毎度のことながら撮影より食の方が真剣です。
 限定20食の昼定食の写真が外に貼ってあり、美味しそうなので中に入り注文。開店直後に入店した怪しい客にも動じず、手早い動作で作っていただきました。刺身の盛り合わせはどれもぺろりと平らげましたが、やはり蛸の新鮮な弾力と旨みが美味しゅうございました。

 お腹がいっぱいで幸せモードになったところで、下津井城跡まで歩きます。海岸沿いを歩き途中北へ曲がって城山登山道の石碑を横目に坂を上ります。途中で桜が見えてきまして、いい時期に来たものだと息をつきました。
 平日でも花見客が多いのではないかと身構えたのですが、到着してみると私しかいません。あまり人が居なさすぎるのもちょっと、と我儘なことを考えつつ足早に撮影。

 

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鷲羽山ハイランドも見えます
スカイサイクルに興味津々

 

 一通り撮り終え、小学校の裏手から町の中心まで下りてきました。現在地が分からなかったので一度海岸沿いの道に出ると、「むかし下津井回船問屋」の看板が。そちらへ回りお土産物をこの時点で買い込むという暴挙に出た後、資料館へ回ります。電気工事らしき打ち合わせの最中を邪魔して、こそこそと動き回り申し訳なかったです。
 ぐるっと廻ってから、施設内部の「蔵ほーる」で休憩していると、併設されているレストランの方から声を掛けられました。蛸の天ぷらはいらないかとのことだったので、いる、いります、欲しいです、としつこい感じで返答して購入。
 荷物を順調に増やしつつ、遊郭名残の「まだかな橋」跡を撮ってから、高台にある祇園神社に向かいます。下津井漁港を一望できるかと思ったのですが、木々が生い茂っており、しっかりとは目視できず。海岸側へ下りて、ここが唄のメインということで下津井漁港の写真を撮ります。
 それから下津井に点在する井戸を探しがてら、町をうろうろします。いかに人の目につかず撮影できるか挑戦してみましたが、細い路地ばかりでいつも他所様の軒先に入り込んでいる感覚があり、なかなかシャッターを切れませんでした。この時の写真枚数は少ないです。
 いい加減なところで諦め、吹上港、田之浦港に進み、「田之浦港前」のバス停で椅子に座って待ちます。時間が15時前とまだ早かったので、「鷲羽山第二展望台」に向かうことにしたのですが、時間になってもバスは来ません。そうかワンマンバスだものなあ、道路と乗客の状態によっては遅れるよなあと考え、帰りのバスが遅い可能性は考慮に入れておこうと納得しているところで、バスの姿が見えました。
 バスを降りて、ひとまずレストハウスへ向かいます。中の展望喫茶でホットケーキセットをぺろり。お昼が早かったのと、お土産物持参で移動しているため体力を使っているようです。
 お土産物をまたちょこっと見てから、瀬戸大橋側の道を登り始めます。途中で「下津井節」の歌碑があり、事前に仕入れた情報では瀬戸大橋と反対側の道の途中にあるはずだけれどな、と首をひねりつつ写真をぱちり。第一展望台は学生が多かったので、ひとまずスルーして山頂へ。山頂の岩場は狭いのですが、ちょうど皆様の帰り時間になったのか、どなたもおられず独り占めして色々な角度から風景を堪能します。(時間の関係で行くことができなかった大畠港の写真が撮れて喜んでいました。結局動画で使用した港の写真は下津井漁港だけでしたが)

 

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ぼやけているけどボートレース

 

 その後もまだ時間があったので、道々の看板に書いてあった鷲羽山奥のあずまやへ。古墳群の横を通り抜け、人のいない草原を歩いて到着。一旦休憩して更に奥を見ると目印があり、どうやら瀬戸大橋を正面から撮れるスポットだということが分かりました。寄り道もいいことがあるものです。
 とはいえそろそろ寄り道が過ぎまして、時間が押してきたので元の道を戻ります。第一展望台は人通りがなくなっていたので、ビジターセンターをさらっと見回りました。
 センターを出たら雨が降っていたので帰路を急ぎます。行きは海側から来ましたが、帰りは山側から。見落としがないか何度も確認しましたが、上記の歌碑はありませんでした。
 最初に到着した時点では数人の方がうろうろしていた駐車場も人気がなく、バス停周辺も閑散としていました。バスが遅れることは織り込み済みでしたが、これで仮にバスが来なければ真っ暗な中一人待ちぼうけというシチュエーションではないか、と一人旅特有の嫌な想像をしていました。いやいや公共交通を信じるのだと10分か15分程根気よく待ち続けると、16:57分発(予定)のバスが到着し一安心。児島駅まで連れて行ってくれたのでした。
(余談ですが、蛸の天ぷらはその日のうちにホテルの部屋でいただきました。お惣菜ばかりの晩御飯でしたが、この一品があるとないとでは大違いです。ごちそうさまでした)