唄収録日 :2018/4/4
唄記述日 :2018/4/14
*1歌詞*
「月は傾く 平戸の瀬戸で
勇魚捕る子の 櫓の速さ
エンヤラヤノヤー エンヤラヤノ
エンヤラヤノ エンヤラホイノサー」
*2歌詞*
「五島沖から 漕ぎ出す船は
平戸通いか 懐かしや
エンヤラヤノヤー エンヤラヤノ
エンヤラヤノ エンヤラホイノサー」
*記述*
別名「勇魚節」と呼ばれます。
元は長崎県平戸市の生月(いきつき)島周辺の捕鯨唄です。江戸時代に鯨へ銛を投げて仕留める「勢子船」の指揮者が唄っていたもので、明治時代に鯨を鉄砲で仕留めるようになっても櫓漕ぎ唄として用いられたと言われています。
唄が流行したのは明治末から大正にかけてとされており、替え歌が多くつくられました。特にこの「エンヤラヤ」のお囃子が全国に広まって、「江差追分」の前唄、「大島あんこ節」、果ては「最上川舟唄」にまで転用されています。
1と2の二つ唄いましたが、1は日本民謡大観を参考に、2は習ったものを参考にしました。1の方が原曲に近いでしょうが、どちらも出だしが高音でして、作業唄というよりはお座敷唄のようです。
1の「平戸の瀬戸で」はもともと「平戸の沖で」という歌詞であったとのことです。
*参照*
『日本民謡辞典』 1972 仲井幸二郎・丸山忍・三隅治雄 東京堂出版
『日本民謡大事典』 1983 浅野健二 雄山閣
※この唄は『日本民謡事典』には掲載されておりません。