斎太郎節

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唄収録日  :2016/4/27
唄記述日  :2016/4/29


*歌詞*

「松島の サーヨー 瑞巌寺程の
 (アア ソレソレ)寺もないとエー
 アレワエーエ エトソーリャ 
 (アア ソレソレ)大漁だエー
 前は海 サーヨー 後ろは山で
 (アア ソレソレ)小松原とエー
 アレワエーエ エトソーリャ 
 (アア ソレソレ)大漁だエー

 見渡せば サーヨー 松島 遠島
 目の下にとエー
 富山は サーヨー 高さも高い
 名所山とエー」


*記述*

 タイトルは「さいたらぶし」と読みます。宮城県牡鹿半島付近の沿岸の船漕ぎ唄です。
 どうしてこのような唄名になったかということですが、踏鞴踏み職人で美声の斎太郎という人物がこの曲を生み出したのだ、という説は信用できないとのことです。「サイトナ」或いは「サイタナ」という当曲の昔のお囃子の訛りであるという説、この唄は踏鞴の銭吹き唄が元唄になりますが、その銭吹き唄の元は祝唄であり、その祝唄に縁の深い言葉「歳徳(さいとく)」の訛りであるという説があります。

 歌詞は私が習ったものを採用しました。(二節で一番の構成になります)この歌詞だと視点が徐々に高いところへ移っていくことから、記憶に残りやすいという話を聞きましたが、果たしてどうでしょうか。
 二番の歌詞は、文献やインターネットによると石巻の日和山についてのものが主流のようです。(習った歌詞だと二番は松島周辺のことになります)
 本来は「エンヤードット、エンヤードット……」という勇壮な掛け声が入ります。日本民謡大観の「大漁唄い込み」を聴くと唄の始めから終わりまで入るようですが、舞台やCD収録の際には(唄い手の声と重ならないようにするためか)お囃子を小さく入れる、若しくは最初だけ、或いは入れないこともあるようです。

 人によっては「大漁唄い込み」という標題を覚えている方がいるかもしれません。これは「ドヤ節」「斎太郎節」「遠島甚句」という三曲を組曲にしたものの名称です。


*参照*

『日本民謡辞典』 1972 仲井幸二郎・丸山忍・三隅治雄 東京堂出版

『日本民謡大事典』 1983 浅野健二 雄山閣

Various Artistsの「日本民謡大観 東北篇 4」を iTunes で


*試聴(広告)*
 今回はジャズで。この方はトリオの時の唄と本人単独の時の唄が同じ「斎太郎節」でも伴奏やテンポが違います。リンク先は、唄のテンポをかなり崩している方です。