ソーラン節

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唄収録日  :2016/1/8
唄記述日  :2016/1/22

 

*歌詞*

「(ハア ドッコイ)
 ヤーレン ソーラン ソーラン
 ソラン ソーラン ソーラン(ハイハイ)

 

  鰊来たかと鴎に問えば

 私ゃたつ鳥 波に聞けチョイ

 

 ヤサエーエンヤーンサーノ ドッコイショ
 (ハァ ドッコイショ ドッコイショ)

 

 今宵一夜は 緞子の枕
 明日は出船の 波枕」


*記述*

 北海道の鰊漁では船漕ぎ、網起こし、沖揚げ、子叩きという作業工程ごとにそれぞれ唄がありますが、この唄は沖揚げ音頭であり北海道の鰊漁唄の中で最も有名なものです。

 

 鰊漁は、定置網の一つである建網に鰊を追い込んだのち、枠網を吊るしてある枠船に建網の中の鰊を移し(網起こし)、それから陸へ運送するための汲船を枠船に接触させて枠網からタモ網で汲船に汲みあげます(沖揚げ)。鰊はその際、逃げようとして粘着力のある卵を捨てますので、陸上に戻ってから網を叩いてカズノコをふるい落とします。(子叩き)
 汲み船の容量が小さかったため、Wikipediaによると枠網の鰊を全部引き揚げるには20往復以上かかったそうです。長い作業時間もさることながら、産み落とされた卵が増えるとタモ網の重さが増すので速やかに行わなければならず、鰊漁の作業の中でも沖揚げは重労働でした。作業疲れの眠気を覚ますため卑猥な歌詞が多数あったようです。

 

 青森県の野辺地港で唄われていた荷揚げ音頭が元とされています。北海道は東北地方からの出稼ぎが多く、民謡も東北の唄から派生しているものが多いです。
 勇壮な男性の労作唄ですが、流行唄の潮流に乗るに従い、その力強さが失われていきました。鰊の資源量が減少し漁は衰退しましたが、今でもよく唄われる宴席唄の一つになっています。


*参照*

『日本民謡辞典』 1972 仲井幸二郎・丸山忍・三隅治雄 東京堂出版

ビデオライブラリー | 野辺地沖揚音頭保存会

 

*試聴(広告)*
 個人的には無伴奏の太い男性の唄(独唱でも合唱でもよい)が聴きたいと思いました。無伴奏ではないですが一番条件を満たすのがこちら。