田助ハイヤ節

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唄収録日  :2015/12/26
唄記述日  :2015/12/30

 

*歌詞*

「(チョイサーヨーイヤサー)

 

 ハイヤー可愛いや 今朝入った船はエー

 (チョイサーヨーイヤサー)

 どこの港にサーマ (チョヤサイサイー)
 寄せたやらエー

 

 サー段々畑のさや豆は
 アラひとさや走れば皆走る
 サー私ゃあんたについて走る
 アラ追っかけろ よか男

 

 田助角屋に残せし文字は
 名も高杉の 筆の跡

 

 サー田助思いの船ならば
 サー禿島沖から帆を下げて
 サー伝間下ろして碇立てて
 サー四つ股碇を投げ込んで
 サー四軒屋の艫着け偉いもんじゃナー」


*記述*

 熊本の牛深ハイヤ節、鹿児島の阿久根ハンヤ節と並んでハイヤ節の元祖と目されています。ハイヤ節は新潟の佐渡おけさ等の「おけさ」の源流で、併せて聴くとかなりの違いがあります。

 

 唄については田助ハイヤ節保存会の動画を参考にしました。この動画の歌詞は文献等に出ているものと若干の違いがあります。動画を繰り返し聴いて上記の歌詞は書きましたが、間違いがあるかもしれません。ご容赦ください。
 また、動画では中囃子が唄い手とお囃子のお二人の掛け合いですが、一人だとその雰囲気が出るか分からなかったため一気に唄いました。そのため音程が下がり気味になっております。

 

 一番の歌詞は他のハイヤ節に共通して見られるもの、二番の歌詞は田助ハイヤ節特有のものを選びました。
 田助港は漁港で、近くの平戸港が貿易港でした。1950年に開港した平戸港周辺は城下町でもあったため、専ら田助港周辺に遊郭が建てられました。幕末当時、郭の酒宴の騒ぎに紛れて維新の志士たちが密かに会合を開いていたそうで、歌詞にある禿島でも密議をしていたという言い伝えがあります。


*参照*

『日本民謡集』 1960 町田嘉章・浅野健二 岩波書店

『日本民謡集――ふるさとの詩と心』 1959 服部龍太郎 社会思想社

田助ハイヤ節 - YouTube

平戸田助ハイヤ節 - YouTube

旅する長崎学 〜たびなが〜


※この唄は『日本民謡事典』には掲載されておりません。