唄収録日 :2015/11/7
唄記述日 :2015/11/11
*歌詞*
「うちの御寮(ごりょん)さんな がらがら柿よ
見かきゃよけれど 渋ござる ヨイヨイ
博多柳町 柳はないが 娘姿が 柳腰」
*記述*
「竹田の子守唄」「宇目の唄喧嘩」と同様、子守奉公の子どもたちが唄う守子唄です。ただ、他の守子唄と違い旋律は明るく、自分の主人とその女将を徹底的にこき下ろす歌詞が目立ちます。
1番の歌詞はまさしくそれで、「がらがら柿」は一つ一つが小粒だけれども沢山実がなる渋柿のことで、形は良くても味が渋くて食べられないそうです。
2番の歌詞は正調博多節にも類似のものがあります。この唄は古くから福岡や糸島周辺で唄われていたそうなのですが、それが花街に流入して粋っぽく歌い継がれるようになりました。2番の歌詞はそれ以降にできたものと推測されます。この唄は宴席で「正調博多節」の後の賑わい唄として使われるとのことです。
また、歌詞の中には自分の女将を「御寮」と呼び捨てにしているものもあります。そのため礼儀に厳しい博多人ではなく他所の人が歌詞を作ったという説があります。
尚、1番と2番の唄の順番が逆ですが、2番の歌詞を掲載している本がほとんどないため、有名な「がらがら柿」の唄を1番にしました。
*参照*
『日本民謡大事典』 1983 浅野健二 雄山閣
*試聴(広告)*
あまり民謡においてはメジャーな曲ではなく、どちらかというと子守唄集に収録されていることが多い模様。