庄内おばこ

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唄収録日  :2015/10/19
唄記述日  :2015/10/31

 

*歌詞*

「おばこ来るかやと(ハアコリャコリャ)
 田圃のはんずれまで 出て見たば
(コバエテ コバエテ) 
 おばこ来もせで(ハアコリャコリャ)
 用のない煙草売りなんど ふれて来る
(コバエテ コバエテ)

 

 酒田山王山で 海老コと
 鰍(かんじか)コと 相撲とったば
 海老コ なんしてまた 腰ア曲がた
 鰍コと相撲コとって 投(なん)げられて
 それで 腰ア曲がた」


*記述*

 この曲は「山形おばこ」「最上おばこ」と呼ばれることもあります。また、「秋田おばこ」「米沢おばこ」の元唄と言われています。

 

 日本民謡のどの本にも記載されているかもしれないぐらい有名な曲です。

 

「おばこ」は、年若い娘、跡取り娘以外の娘(次女以下の娘)等を指します。
 1番の歌詞はその「おばこ」を待つ恋心を唄ったもので、東北の民謡の中でも珍しく明るく、とぼけていて味のあるものになっています。
 2番の歌詞は比較的新しいものとされていますが、よく唄われており、海老の腰の曲がった理由を面白おかしく説明しています。

 

 元は庄内地方の縄ない唄で、起源は古く近世初頭にできた唄という説があります。ただ、現在の形に完成したのは明治中期頃とされており、昔の「庄内おばこ」とはかなり違うようです。その点、「大沢おばこ」や「昔おばこ」という別のおばこ節が原曲に近いと言われ、逆転現象が起こっています。


*参照*

『日本民謡事典』 1972 仲井幸二郎 , 丸山忍 , 三隅治雄 東京堂出版
  

『日本民謡集』 1960 町田嘉章 , 浅野健二 岩波書店