唄収録日 :2015/8/12
唄記述日 :2015/8/13
*歌詞*
A「あん子 面(つら)見よ 目は猿まなこ ヨイヨイ
口はわに口 えんま顔 ヨーイヨーイヨー」
B「おまえ 面(つら)みよ ぼたもち顔じゃ
きな粉つけたら 尚良かろ」
A「寝んね寝んねと 寝る子は可愛い
起きち泣く子の 面(つら)憎さ」
B「起きち泣く子は 田んぼに蹴こめ
あがるそばから また蹴こめ」
*記述*
民謡をかじっている人には「ほら、あの喧嘩の唄」で通じると思います。多分。
大分県南海部(みなみあまべ)群の宇目地方に伝わる唄です。周辺の裕福な農家や地元の木浦鉱山に働きに出る親が、近隣の貧しい家の娘を雇い子守をさせていました。
日が暮れても雇い主が多忙で家に帰れない子守たちは、やがて各村落の神社の境内や野原などに集まり、二組に分かれ、守子を背負ったまま鬱憤晴らしに「送り」「返し」の唄の掛け合い競争を行なったとのことです。
一時はこの唄も忘れかけられましたが、地元小学校教師の安藤隆氏が採譜、昭和24年に奥宇目民俗保存会が編曲し、その後、昭和28年にレコード化されると全国に広まりました。
歌詞は多くあり、一般に民謡として唄われている歌詞は、こういうタイトルがついていながらあまり喧嘩らしく聴こえないという欠点があります。今回はリンク先を参考に、独断と偏見で喧嘩のように聴こえる歌詞を選びました。
*参照*
日本民謡大事典 1983 浅野健二 雄山閣
*試聴(広告)*
『郷愁の子守唄』より。子どもが寝てくれるか心配です。