竹田の子守唄

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写真撮影場所:京都府伏見区竹田
写真撮影日 :2014/6/16
唄収録日  :2014/6/29
唄記述日  :2015/3/25、8/26
訪問記述日 :2015/11/25

 

*歌詞*

 「守も嫌がる 盆から先にゃ

 雪もちらつくし 子も泣くし

 

 早よも行きたい この在所越えて

 向こうに見えるは 親の家」

 

*記述*

 この唄には歌碑がありません。

 

 日本全国どこへ行っても地元の民謡については「これが自分たちの土地の唄」とばかりに行政ぐるみで喧伝していると勝手に思っていましたので、驚きました。

 

 歴史を紐解けば、この唄の歌碑がないのも納得できる話。

 

 クラッシックの作曲家、尾上和彦氏が竹田の地元の方から聴いた曲を譜面に落としまして、その曲が竹田地区の合唱団のレパートリーとなり、続いてフォークソング歌手達の間に広まっていきました。

 

 フォークソンググループ『赤い鳥』が編曲した唄はミリオンセラーになるほど有名なものになりますが、「在所」の歌詞で被差別部落の唄であるとメディアが自主規制し(「在所」には「田舎」という意味も含まれるらしいですが)、一転放送局が取り扱わなくなり、この曲の存在は10年以上封じられることになった、とのことです(※1)。

 

 伏見区の観光地をインターネットで調べていましたが、該当地区周辺には確かに何もありません。動画を作るにしても被写体は何にしましょうと悩んでいましたが、見ての通り「川」さんに頑張ってもらいました。

 

 この『竹田の子守唄』の元唄もインターネット上で探すと出てきます。こういう貴重な音源を聴けるのはありがたいですね(※2)。

 

(※1)2015/8/26追記

 参照先にある『竹田の子守唄―名曲に隠された真実』によると、かつて放送禁止についての判断基準とされた日本民間放送連盟による「要注意歌謡曲一覧表」に、この唄は掲載されていなかったとのこと。各放送局の現場が自主的に流さなくなった模様。

 

(※2)2015/8/26追記

 これは『竹田の子守唄―名曲に隠された真実』に付録のCDの曲を流しているようです。

 

 

藤田正 『竹田の子守唄―名曲に隠された真実』 2003 解放出版社

Beats21 - 講演「竹田の子守唄 名曲に隠された真実」---藤田正@高野山

竹田の子守唄(元唄) - YouTube

 

 

*試聴(広告)*

 

 この曲は民謡歌手が案外唄っておらず、楽器演奏やフォークソングが多い印象です。どれにしようと悩みに悩んだのですが、普通に「赤い鳥」のリンクを貼ることにしました。

 上妻宏光さんの津軽三味線のアレンジ曲や、浅崎郁恵さんの奄美民謡風の唄い方も個人的には好きです。

 

*訪問記述*

 近鉄竹田駅から該当箇所まで歩きました。天気は曇で、合間から晴れ間が覗くことあり。私事ながら、デジカメで撮影するのが初めてで、曇天でも綺麗に録れるのだろうかとびくびくしていました。

 相当枚数撮影したものの、ほとんどお蔵入り。唄の歴史に関係あるかないか分からない箇所は概ね省いたから、該当箇所を行き過ぎて撮影してしまったから、動画に使えるかもしれないと的を絞らずあれこれ撮影していたからです。

 

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関係ない写真の例(帽子が似合う)

 

 この後、近鉄京都線の伏見駅の前を通り「南国電波」さんというカレー屋さんを発見、店名の怪しさの割に店内は普通で、選べるカレー(日替わりを選択)とナン・サラダのセットを頂きました。なかなかのボリュームでしたが美味しくペロリと平らげ、京阪電鉄の丹波橋駅まで歩き、次の撮影地に赴いたのでした。